ワジールX債権者の90%以上が再建案を支持、シンガポール裁判所の審査へ前進

暗号資産取引所ワジールX(WazirX)の再建計画が、大きな前進を見せた。債権者の90%以上が、Zettai社によって提案された再構築案に賛成票を投じたことで、シンガポール裁判所での審査に進むための重要なハードルをクリアした。この投票は、2025年3月19日から28日までKroll Issuer Servicesプラットフォーム上で実施され、14万1,000人を超える債権者が参加。合計1億9,560万ドル相当の承認された請求額に基づき、圧倒的な支持が集まった。

ワジールXは、2024年7月に北朝鮮の国家支援型ハッキンググループ「ラザルス・グループ」による攻撃により2億3,000万ドル以上の損失を被った。その後、同社は債権者の信頼回復を図るため、再構築計画を提案。今回の結果は、「議決権を持つ債権者の過半数、かつ総請求額の75%以上の賛成」が必要な法定閾値を「大幅に上回った」と、公式ブログで発表された。

親会社であるZettaiは、今後シンガポール裁判所の承認を求め、認可され次第、10営業日以内に最初の資金分配を開始する予定だ。また、取引と出金も段階的に再開される見通し。ワジールXはこの再建の一環として、独自の分散型取引所(DEX)の構築を計画しているが、ローンチ時期は未定。過去には年次取引量が430億ドルを超えたインド最大級の暗号取引所だったワジールXが、再び信頼を取り戻せるかに注目が集まっている。