ソラナのdAppエコシステム、収益で他チェーンを圧倒:過去12ヶ月で28億ドルを記録

ソラナ(Solana、SOL)の分散型アプリケーション(dApp)エコシステムが、他のブロックチェーンを凌駕する収益を記録し、大きな注目を集めている。ブロックチェーンインフラ企業Syndicaが4月18日に発表したレポートによると、ソラナのdAppは過去12ヶ月間で28億ドル(約4,300億円)の収益を上げ、他チェーン全体の収益を47%も上回った。

この傾向は2023年10月から顕著になり、それ以降、ソラナの収益は他チェーンとの差を広げ続けている。取引手数料の安さやユーザー体験の向上を重視する設計により、エンドユーザーからの支持を得ており、開発者にとってもアクセスしやすく開発者フレンドリーなインフラが魅力となっている。

ただし、ソラナのdApp収益の多くは暗号資産取引アプリに依存しており、そのため収益は市場のボラティリティに大きく左右される傾向がある。たとえば、収益が最も高かった2024年1月には、7億100万ドルに達し、同時にSOL価格も過去最高の294.33ドルを記録したが、3月には収益が1億4,600万ドルまで急減している。

3月のトップ収益を上げたdAppは、ミームコインローンチプラットフォームのPump.funで、3,100万ドルの収益を記録し、JupiterやPhantomなどの主要プラットフォームを上回った。しかし、Pump.funは現在、Yコンビネーターが支援する新興のAxiomと激しい競争に直面しており、Axiomはすでにミームコイン市場の29%を獲得し、1,900万ドルの収益を上げている。

ソラナの分散型取引所(DEX)分野では、Jupiterが依然として圧倒的なシェアを誇り、ネットワーク全体のDEX収益の93%を占めている。3月の市場冷却にもかかわらず、Jupiterは2,200万ドルの収益を維持しており、Kamino Financeなど他のプラットフォームも安定した実績を見せている。

このような結果は、ソラナが単なる“高速・安価なチェーン”を超えた存在へと進化していることを示している。今後、収益の多様化や新たなユースケースの拡大が、ソラナのさらなる成長に重要な鍵となるだろう。