暗号通貨ウォレット「Phantom」、50万ドル以上のミームコイン流出で集団訴訟に直面
暗号通貨ウォレットプロバイダー「Phantom」は、50万ドル以上相当の「Wiener Doge」ミームコインが不正に流出したとして、ニューヨーク州で訴訟を起こされました。原告であるトーマス・リアム・マーフィー弁護士を含む14人は、2025年4月14日に提出した訴状で、Phantomがブラウザ拡張機能のメモリにおける脆弱性を放置し、適切な対策や開示を行わなかったとして過失、詐欺、不正な商業慣行で訴えています。ハッカーはこの脆弱性を利用してマーフィー氏の秘密鍵にアクセスし、2段階認証を迂回することなく3つのPhantomウォレットから資産を盗み出しました。
この攻撃者はPhantomに組み込まれた「Swapper」機能を使って、盗んだミームコインをSolana(SOL)へと変換。変換にはOKXのスマートコントラクトルーティングが使用され、被害はさらに拡大しました。この事件を受けて、Solanaベースで展開されていた「Wiener Doge」は、時価総額100万ドルから1トークン未満の価値に暴落。原告らはPhantomが数十億ドル規模のスワップを処理し手数料を得ていたことから、単なるウォレットではなく未登録の取引プラットフォームとして機能していたと非難しています。訴状には、マネーロンダリング関連の前科を持つOKXも共犯として記載されています。
Phantom側は現時点で公の声明を出していませんが、本訴訟はWeb3ユーザーの拡大に伴い、暗号通貨ウォレットの安全性、規制対応、そしてマーケティング手法に対する問題提起として注目されています。2024年、Phantomは2,000万以上のトークンスワップを仲介し、急成長を遂げたWeb3ウォレットの中でもトップクラスの人気を誇っていました。また、2025年1月には30億ドルの評価額で1億5,000万ドルを調達し、SuiやBaseなど新興ネットワークへの対応も進めています。