ビットコイン市場の混乱の中でも長期保有者は健在:Glassnodeが報告
暗号資産市場が不安定な状況に陥っている中、オンチェーン分析会社Glassnodeは、ビットコイン(BTC)の長期保有者が依然として強い立場を保っているとする新たなレポートを発表しました。短期的な損失が市場全体に広がる中で、ベテラン投資家たちは冷静さを保ち、ポジションを維持していることが明らかになっています。
同レポートによると、「多くの新規投資家がこれまでで最大の含み損を抱えている」にもかかわらず、長期保有者の多くは「引き続き利益を維持している」としています。特に、短期保有者が大きな未実現損失に苦しんでいる一方で、長期保有者は市場の動揺にも関わらずポジションを崩していません。
また、注目すべきは「利益を上げている状態で保持されている循環供給の割合が75%という高水準を維持している」点です。これは、多くの含み損を抱えているのが比較的新しい投資家であることを示唆しています。加えて、長期保有者によるビットコインの供給量が増加傾向にあることも、ベテラン投資家の市場への信頼感を示す要素となっています。
Glassnodeは、過去には長期保有者の未実現損失が急拡大することが「弱気相場の確認」となることがあったと述べつつも、現時点ではそのような明確なトレンド転換は見られないと分析しています。この点からも、長期保有者がパニックに陥ることなく、市場の回復を静かに待っている姿勢が読み取れます。
なお、4月初旬には暗号資産取引所Coinbaseが「暗号市場が新たな弱気相場に突入する可能性がある」との見解を示しており、5月から6月にかけて価格が下支えされ、第3四半期に向けた反発の兆しが現れる可能性にも言及していました。
現在の市場の混乱は多くの投資家に試練を与えているものの、Glassnodeの分析は、長期的な視点で資産を管理することの重要性と、その恩恵を改めて浮き彫りにしています。ビットコイン市場の今後の展開に注目が集まっています。